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KDDI株式会社
2008/1/23 Updated



 

会社設立

1984

上場/非上場

上場(東証一部)

上場年

1993

代表者

小野寺 正

従業員数(単独)

10,229

従業員数(連結)

14,358

売上比率

固定通信18(-7)、移動通信80(14)、他2(6)(2007.3)

平均年齢

38.3

平均年収

870万円

系列

特になし(前身は旧官営のKDD、京セラ系のDDI、トヨタ系のIDO

以上、一部はYahoo!ファイナンスより引用

インタビュー協力者

現役/元社員

元社員

新卒/中途

新卒

職種

技術系/企画系

年数

3年以上勤務、退社後3年以内


 

就職活動~内定~入社/研修/配属

(就職活動:プロセス)
Webからエントリー
②一次面接(京王プラザホテル、集団面接)
あなたのPRをできるものを持ってきてください、との指示があったので、研究分野の成果物を持参
③二次面接(旧IDOの本社)
④三次面接(旧DDI本社、学生2:面接官1)
面接官は人事課長、同じ学部学科の同期と偶然面接が一緒で、さすがにどちらかが落ちると思った
⑤最終面接(京王プラザホテル)
何故KDDIなのか、といった一般的なことを聞かれた。特殊なことは何も聞かれなかった

(就職活動:所感)
・自分の競争力がある分野はIT系だと思っており、ITが生かせる会社に興味を持ちKDDIを受験。面接は終始和やかで圧迫などはなかった。「どこの野球チームがすきか」と聞かれ、地元のチームを答えたら、面接官の好きなチームとは違っていたが、特に問題はなかった(その辺は入社後に知った)。
・人事からの要請で、現場の人が面接官をやっていた。現場の人なので、就職指南本にあるような決まりきった受け答えは少なく、一緒に働きたい人かどうかという視点で見られた
・合併のタイミングだったので、人事も各社のカラーが出ていた。人事はDDIIDOが多かったが、おとなしいIDOと、ガツガツしているDDIというのが特徴的であった
・内定はGW前。入社前の事前課題などはなかった。集まってグループワークをした後に飲み会のある内定者懇親会が1度あった程度。後は内定式くらい

(入社/研修)
・同期は100名程度。内訳は技術系が8割、文系が2割。ちなみに通常の採用枠とは別に旧帝大はリクルーターや研究室推薦での採用があった
・研修は2ヶ月間
[
2週間]集合研修をした後、新卒全員で筑波山に2泊3日で登った
[
1ヶ月]営業研修。当時はマイラインの勧誘のために各支店に振り分けられ、マイライン勧誘のための営業のアシスタントをした(ちなみに翌年以降はAUショップに1~2日行って接客を学ぶというものに変更になっている)。自身は法人向けの飛び込み営業を先輩社員と一緒にやっていたが、なかなか契約が取れなかった。この他、マイラインの代理店(量販店など)で勧誘をやっていた同期もいる

(配属)
・6月に部署に配属されるが、その前に配属面談があり、希望部署などを聞かれる。希望が通った人もいれば、通っていない人もいる
・配属される部署や職種により、合併3社のどの会社の人が多いか偏りがある。例えば、ネットワークはKDDが多く、携帯電話はDDIIDOが多く、また営業はDDIが多いという具合


仕事

(仕事内容/仕事の流れ:異動前)
・顧客向けのインターネットサービス開発を担当。流れは下記の通り

①企画部門から来たプランを、どのように実現できるかを開発の立場からRFPRequest For Proposal: システムの提案要求書)を作成し、メーカー(開発会社、ベンダー)に出す。開発は各メーカーの提案を技術の観点から判断し、購買は見積もりの精査などお金の面から判断をする(通例コンペになる)
②ベンダーが決定すると、ベンダーと一緒にシステムの仕様を確定させる。ある意味プロジェクトマネージャー(PM)的な仕事である。自身が実際にプログラムを書くわけではなく、仕様管理、ベンダー管理とプロジェクト管理が仕事となる(システムの上流工程の仕事)
③開発が完了すると、システム運用部門とカスタマーサービス部門(顧客問い合わせ対応部署)に完成したシステムを引き渡す。その際に彼らにシステムについて理解してもらえるようドキュメントを作成し、場合によっては説明会を設ける。ただ、開発部門でしか回答できない問い合わせには引き続き対応することもある(基本的にサービスが本番稼動したら手離れする)
・開発がスケジュール通りに進まなかったり、開発自体が終盤に差し掛かると、終電帰りや徹夜作業でデータセンターにこもって作業する、ということもあった。ただ開発が佳境となる時期以外はそれほど遅くまで仕事をしなくても大丈夫であった
・開発したサービスが実際にリリースされて、利用したユーザーからフィードバックがあるときは、この仕事をしていて良かったと思えた
・仕事の担当範囲は部署ごとに明確に分かれているため、決まった企画と仕様に従って、開発だけをやればよいという考えを持っている人も多かった。

(仕事内容/仕事の流れ:異動後)
・分業がはっきりしていて、開発しかできない立場ではなく、仕事の最初から最後まで担当し、売上責任も持つような仕事をしたかったため部署を異動(社内公募を利用)。よって仕事の流れは上記の開発部門の時とは大きく異なる

・異動後は、コンテンツパートナーと一緒にKDDI自身が一般ユーザーに課金するサービスの企画~開発~マーケティングを担当(開発自体はパートナー企業が担当し、KDDIはマーケティングと販売を担当。上がってきた利益をKDDIとパートナーで分け合う協業のビジネスモデル。パートナー企業の既存の売上に影響を与えずに、KDDIとしてリリースするサービスを開発するため、注意が必要)。常に仕事が多数パラレルに走っており、恒常的に忙しくなった。

・企画を通すためのプロセスは下記の通り。なお、企画によってまちまちではあるが、企画を通すのに半年から1年程度かかる(この後でサービスの開発とリリースとなるため、サービス自体が世の中に出るのはもう少し後になる)
 ①サービスに関する企画を立て、自部門の部長に提案し、承認を取り付ける
 ②部長の上の本部長に企画を提案し、承認を取り付ける
 ③事業本部の各会議体にて報告、承認を取り付けると同時に、関連するコーポレート部門への報告、相談をする。関連部門の了承を取り付けることが出来れば本格的なサービス開発に向けて動き始める
・企画を通すための資料づくりとその修正に多大な労力が必要となるため、社内で企画を通すのに何故こんなに苦労しなければならないのか、と思うこともしばしば。かなり上の人の提案になってから、「そもそもこの企画は・・・」という議論が出てきたり、指摘されて訂正したことを別な部門からまた指摘されて戻すといったこともしばしばあった。他に、企画としては面白いがブランドに傷をつける恐れがあるのではないかといったような保守的な指摘も少なくなかった。

組織/等級/評価制度

(組織階層)
・組織は下記の通りの階層になっている。組織の最小単位はチームで、通常5-6人程度が所属している。カッコ内は組織単位
 - 社長

 - 各事業担当役員(執行役員、事業本部長と兼務の場合もある)
 - 事業本部長(事業本部)
 - 部長(部):部長が部員の年次評価をまとめている
 - グループリーダー(グループ):GLが部員の二次評価をする。役職的には課長
 - リーダー(チーム):役職的には課長補佐、主任クラス

(等級)
・組織階層に応じた役職と、給与を決めるための等級は連動している。毎年の評価ごとにポイントが蓄積されていき、ポイント数が一定の基準に達して、直近の評価が一定以上の条件を満たせば、次の等級に上がることができる。ほぼ年功序列の給与/等級になっており、よほどの実力がある人以外は下が上を追い越すということはない
 - 7等級:(高卒入社時)
 - 6等級:(大卒/大学院卒の1年目)肩書きなし
 - 5等級:(大卒4年目、大学院卒2年目に昇格)肩書きは主任
 - 4等級:(5等級になってから5~6年、ここから昇進に差がつく)肩書きは課長補佐
      年次評価で二年連続Sをとる事が、4等級に昇格するために必要
 - 3等級:(4→3等級以後は昇進のための面接などの試験があり、上司からの推薦要)肩書きは課長
 - 2等級:肩書きは次長もしくは部長
 - 1等級:本部長以上の役職者

(評価)

 ・年に1度評価があり、SからDまで各事業部門内で相対評価で振り分けられる。カッコ内は相対的な評価の割合(感覚的な割合の数字)。よい評価を取れば取るほど「ポイント」が蓄積され、次の等級への昇格が早まる。また同じ等級内の給与はポイントによって代わってくる
 - S(ほとんどいない)
 - A(20%程度)
 - B(60%程度、標準レベル)
 - C(20%程度)
 - D(ほとんどいない)
・評価は個人のパフォーマンス、貢献度以外の要素も勘案される。部ごとに、各等級の部員についての評価割合が決まっているので、「今回は彼を課長に上げたいので、君の昇進は待ってくれ。その代わりボーナスは多めにつけておくよ」といった調整がなされることも一般的である。同じ等級の人が同じ部署にたくさんいる場合だと、上のポストが足りなくなるため昇進が遅くなったり、逆に同じ等級の人が少なければよい評価を貰える可能性が高いなど、所属された組織の人員構成にもかなり依存する
・評価は基本的にグループリーダーがつけるが、部長がその評価について最終的な決定権限があるため、覆ることもある。グループリーダーはAをつけたが、部長がOKを出さずにBになった、といったものである
・課長試験以上になる際には昇進試験があるが、これは形式的なものではなく、落とされる場合もある。課長試験に落とされた人は、別な人に次の課長昇進のチャンスが回ってしまうため、昇進から遠のくこともある


カルチャー/異動/生活

(合併前の3社のカルチャー)
・ちょうどKDDDDIIDOの3社が合併するタイミングだったので、それぞれの会社のカルチャーを見ることができた。KDDは国際電電が発祥なので、お役所的、DDIはベンチャー的で営業中心、IDOはトヨタ系で意外と公家っぽい感じ(「よきにはからえ」みたいな)。
・よって元の会社がどこかにより、部署や人のカルチャーが全く異なる。ある部署は極めて年功序列的だが、別な部署はベンチャー企業にいるような自由な感じであったり、また別な部署は体育会系だったりと、様々
・各社のカラーが徐々にミックスされてきてはいるが、いまだに元の会社のカラー、人脈を引きずっている

KDDIっぽさ)
・社内調整が非常に時間と手間がかかる。何かを実現するための説明や承諾を得る際、社内の上までの階層が多いため大変

(異動/社員力強化本部)
・社内の空きポジションについての公募制度があり、手を上げて受け入れ先がOKを出せば異動が可能。社内では結構活用されている。自分から社内でのキャリアチェンジを図ろうとする人には好意的に受け入れられている
・また、前身の3社の人員とカルチャーをミックスするため、全社員が定期的に異動することが義務付けられている。そして、異動の際に必要なスキルを習得するため、社員力強化本部という部署が作られている。他の部署に異動する際に、直接部署を異動するのではなく、異動する全員がこの本部に2~3ヶ月程度所属し、部署異動して必要になるスキルを学ぶのがこの本部の主旨である (本部をまたぐ異動の際には必ず一度所属しなければならないのがルール)。
・自ら進んで異動を希望し、一時的にこの部署に配属される人もいれば、所属部署からリストラされ、この部署に来た人など、様々なケースが存在する。
・社員力強化本部で行われる研修が役立つかどうかは人と場合により全く違う。自身の場合は、外部講師が実施する専門的な講習を受講することができ、非常に役に立ったと思っている。その反面、場合によっては既に知っている知識を再度学ぶはめになる場合もある
・この社員力強化本部自体に対する評価も社員の中でもかなり割れている。異動を希望して来た人にとっては意味ある場合が多いが、前の部署からリストラされて来ている人はこの仕組みを活用できていない場合が多い。また、部署にとって本当に必要な人材は、どの部署も手放したがらないので、結局一時的に、形式的に社員力強化本部に所属させるが、「紐付き」で結局もとの部署に戻ることもあり、そうした場合だと、社員も社員力強化本部へ行くこと自体、「ロングバケーション」程度にしか考えていないこともある。
・なお、社員力強化の一環として、資格取得者倍増計画が資格取得報奨金つきで行われたが、徐々に資格取得報奨金が支給される条件が狭められていき、初歩的な資格であれば報奨金がなくなったものも存在する。

(新卒/中途)
・これまで所属していた部署では、比率は新卒8:中途2。新卒/
中途で壁などはないので、中途で入ってもやりにくいことはないと思う

(離職率)
・新卒は非常に低い。新卒は5年間で10%未満しか辞めていないのではないか。辞めない理由は、環境に満足しているか、つぶしが利かなくなったためのどちらかではないかと個人的には思う。中途の離職率は不明
 
(服装)
・異動前はスーツ、異動後は私服でもOKであった(ただKDDI
の全社的なカルチャーとしてはスーツが基本)


給与/生活/休暇

(給与の仕組み)

・内訳は4つに分かれる。
①等級とその等級内のポイントによって決まる「基本給」
②会社全体の業績により支給される「会社業績給」(夏のみ)
③半期ごとに提出する目標管理シートの達成度合いにより支給額が異なってくる「個人業績給」(夏冬ボーナス)
④手当て

・個々人の年次評価で①と③が決まり、会社の業績で②が、その他条件(家族の有無、持家の有無など)に応じて④が決まる、という仕組み

(給与額)
・700万円程度(基本給+個人業績給+会社業績給+残業代+手当て)
金額的にはまあまあだと思う

(手当て/残業)
・家賃補助が3~5万程度支給される。家族の有無、持ち家か否かなどにより金額が異なる
・残業代は36協定の範囲内で支給される。よって1年を通じて36協定を違反しないように残業時間を各人で平準化している。最近では、入退室のIDカードとシステムが連動したため、サービス残業が起こらないよう対策をしている

(休暇)
・休みは忙しい時期さえ除けば普通にとることができた。基本、休暇取得は個人に任せられている。とはいえ、忙しいためそれほど多く休みを取ることはできなかった
・「フリバケ」(フリーバケーション)と呼ばれる制度があり、年に1度、土日をつけて最大9連休まで休むことが可能。事実上の夏休みだが、休む時期は仕事さえ許せば1年のどこで休んでもOK
・部署異動前のサービス開発時は、システムのカットオーバー前が忙しく、終電になることもしばしばあった。またシステムのメンテナンスはサービス利用者の少ない深夜に行うことが多いため、深夜作業もあった。忙しい時期とそうでない時期がはっきりしているため、ある意味メリハリはしっかりしていた。
・部署異動後のサービス企画の仕事は、社内でも一番残業が多いと言われる部署で、花形でもあったが非常にきつかった。サービスがリリースされるまでの一連の流れをすべて担当するため、やることが多かった。終電を過ぎることもしばしばで、深夜3時に退社したり、会社に泊まったりすることもあった

総合評価

(点数)
80点

(会社を辞めた理由)
・社内で異動してやりたい仕事ができるようになり、どのように大きな会社で企画を通して物事を実現していけばよいかについて分かったが、キツイ仕事をしていくなかで二つの点について不満があった
・一つは、企画自体に労力と時間を割くことより、いくつもの社内の会議体を通すために多大な労力と時間を費やす会社の体質・プロセスに嫌気がさしたこと
・もう一つは外部のパートナー企業に開発を任せるのではなく、自分自身でサービス開発を行いたかったこと(自分でものを作っている感じがしなかった)。仕事が嫌になって辞めた、というよりは、やりたいことが他にあったから辞めた、というほうが近い

Good
・給料はそこそこ良く、人は悪くない
B to Cの会社なので、自分のやった仕事、作ったサービスが世の中に出て、多くの人に使ってもらえる

Bad
・技術屋であっても、上流工程だけに携わり、社内調整を行うことがメインとなり、直接自分から手を動して何かを作ることができない(製品/サービスの内製は禁止されていた)
・企画を通すのに非常に労力が必要(1のことをやるのに、10の手間が必要)。実際サービスにはほとんど関係しない人や部門に「うん」と言わせるのが大変で、苦労した。調整のための調整的な仕事多かった。よって社内会議が非常に多い

(この会社に入社を希望する新卒に一言)
・社内調整は大変だが日本第二位の携帯電話会社。KDDIを利用して大きなことをやりたいのであればよい環境だと思う。野望がある人にはお勧めできる。
・ただし、大きな会社なので、各人が会社の歯車の一部となり、会社全体のことが分からなくなる

(この会社に入社を希望する中途に一言)
・中途は即戦力がメイン。KDDIは大きな会社なので、どのような部門に配属されるかをよくよくリサーチする必要がある(上述の通りやっていることもカルチャーも、部署により全く違う)。KDDIということで携帯電話の仕事ができると思って入社すると、実はそうではなかったりするので、注意する必要がある
・社内公募制もあるので、やりたいことがあれば、入社してから異動することも可能