アルク

いまの自分に満足していますか?

日本電気株式会社
(2007/8/23 Uploaded)



 

会社設立

1899

上場/非上場

上場

上場年

1949

代表者

矢野 薫

従業員数(単独)

22,698

従業員数(連結)

154,786

売上比率

IT・NWソリューション57、モバイル・パーソナルソリューション17、エレクトロンデバイス18、他8【海外】26

平均年齢

39.3

平均年収

748万円

系列

住友グループ、NECグループ

以上、一部データはYahoo! ファイナンスより引用。

インタビュー協力者

現役/元社員

元社員

新卒/中途

新卒

職種

技術系(システム系)

年数

3年以上勤務した後退社。退社後3年未満



就職

(新卒就職情報)
・遅刻したにも関わらず採用された。採用プロセスは、筆記試験→面接→最終面接の三段階。
・何故そんなに笑顔なの?というくらい素敵な笑顔を面接時に向けてくれたのが印象的。とにかくゆったりしている。
・入社式までは特に事前課題などはなし。ちなみに入社式で役員がいっぱい出てきて、スピーチが延々と続いたところで、非常に官僚的な会社だと感じた。
・同期入社は800人程度。採用時点では営業系と技術系は分かれておらず、採用後に決定する。ちなみに博士課程などで研究していた人は研究所枠で別採用。

(研修)
・システム系の研修は5ヶ月(ちなみに営業系の研修は短く、ビジネスマナー研修が終わると早々に現場に配属になる)。最初はビジネスマナー、組織人としての教育、メーカーとして必要な製品の生産関連の研修が1-2ヶ月程度。その後はシステムに特化した内容の研修。例えばルータを渡されて冗長構成を組む、オラクルデータベースの資格取得や、データベースの構築といったもの。非常に役に立つ良い研修だった。
・この他、他のIT企業(マイクロソフトや、サンマイクロシステムズなど)との交流会も研修期間中に実施された。

(配属)
・ほとんどが本社地区(芝地区)の配属。地方へ配属される人は1割未満。各部署への割り当て人数は決まっているが、アピール力の強い人は希望通りの部署に行けるが、そうでない人は行けない。希望通りに配属される人は半数以下。
・ちなみにシステム系の配属は大きく3つに分かれる。(1)官公庁系、(2)金融系、(3)その他民間、という区分となる。


組織

(組織)
・組織は大きい順に、事業部>チーム>グループ>といった形で構成されており、最小組織単位のグループの人数は30-50名程度(派遣や常駐を含める)。一つの事業部だけで5,000人程度の人員を抱えている。人数が大きいため、よほど儲かることでないと始めようとしない(=売上金額の大きなビジネスにしか興味がない)。動きが遅い。

(グループ会社との関係)
50歳を超えると、子会社への出向が徐々に始まる。逆に言うと、それまではNEC本体にとどまることができる。本社は意識が現場から離れていることが多いので、現場で色々やってみたいという理由で自ら手を上げて子会社に行く人もいる(そうした意識の高い人は優秀な人材が多い)。ちなみに子会社からNEC本体への転籍もない。 

(役職/昇進)
・担当者→主任→マネージャ→シニアマネージャ→統括マネージャ→事業部長→役員、という順で昇進パスがある。担当者→主任も、年次で出世はできない実力主義であるが、年下が年上を実力的に凌駕してどんどん上がっていく、ということはあまりない。また、マネージャ以上は、本当に優秀で評価が高い人しか昇進できなく、昇進できる人数も少ない。優秀な人の定義は多々あるが、一例をあげると、海外の動向に通じている、動じない、社内外の人脈がある、視野が広い、自由な発想を持っている、自分のやりたいこととビジネスをつなげられる、手に入りにくい情報を持っている、など。
・最初に配属された部門で上に上がっていくのが伝統的な出世コース。40代中盤で事業部長に上がり、北米担当、副社長を歴任し、社長になる、というのが典型的。統括マネージャまでは収益が上がれば出世できる可能性があるが、それより上は人格、人間性が伴っていないと無理。

(部署異動)
・異動先の部署とニーズが合えば、上司に相談することなく異動可能。できる人、資格のある人などは自らが希望する部門などに異動していく。例えば企画部門やシステムコンサルティング部門など。
・逆にできない人は、「後ろ向きの組織改変」の際に部門から出される。
・よって部にずっと残るのは、できる人でもなく、できない人でもなく、「真ん中」の人。



仕事の進め方

(実際の仕事)
・お客様担当SEとして配属される。大手顧客のシステムサポート対応と、システム企画、提案、設計を実施。お客さんの代わりに仕様書を読んだり、問い合わせに回答したり、という浅く広い知識が求められる仕事だった。またお客さんのやりたいことをヒアリングして提案も実施。
・お客さんから名指しで連絡が入る、呼ばれる人は「仕事のできる人」という評価がつく。お客さんはできる人としか会話しない。
・自分のやりたいことは、利益につながるものであれば企画書を書き提案することで実施可能。例えばコスト削減のためにシステム評価プロセスの自動化提案から改善を実施したり、また企画系の提案を実施し集客、メディア効果測定関連で提案して特許を取るなど。
NECでやりたいことの半分はできたが、半分はできなかった(新しいことをやるというカルチャーがなかったため)。


カルチャー

(巨大さが力)
・大きな会社で人が多くいるため、「ビジネスマンとはここまで優秀になれるのか」という人材に会う機会があり、非常に刺激になる。
・顧客のシステムに問題が発生した場合、役員レベルの判断で、ある程度の知識レベル以上の人を社内の色々な部署から無尽蔵に集めてきて、問題解決のために集中投入することができる(24時間ずっと人海戦術で力ずくで対処、といったことも可能)。これこそがNECが顧客から受注を続けられる理由(会社の体力が強く、粘りが利く)。このように、役員レベルになれば、会社のリソースをある意味無尽蔵に使える。

・人が多いため、業務が細分化されている(その道のプロに特定の部分を任せる)。よって仕事のやれる範囲が狭い。これに不満を持ち、わざと子会社に転籍し、企画から営業まで見るような仕事をやっている人もいる。
・最初に入社するなら子会社ではなくNEC本体を薦める。NEC本体→子会社は可能だが、子会社→NEC本体は無理。

(出社/退社/服装)
10時出社、21時退社が一般的だった。お客様訪問する時以外は私服が基本(社内の冷房は28度に設定されているため、上司の指示によりクールビスが基本)。

(離職率)
800人入社して二桁前半なので、それほど高くない。また年齢が上の人は滅多にやめない。

(新卒/中途)
・中途社員はいない。よほどのバックグラウンドがないと採用されない(研究所関連か、天下りか)。優秀な新卒が多数いるので中途採用をする必要がないという認識。
・ちなみに現場に中途社員はいないが、外注は多数いる。中途社員を受け入れるカルチャーがないわけではない。ちなみに外注にも2種類いて、普通にシステム会社の社員の人と、自分で会社を立ち上げている人。後者は非常に優秀で、マネージャ的な仕事をしている場合もある。

NECカルチャー)
・のほほんとしたカルチャーが特徴的。プレッシャーがないため、みな味方。お互い仲が良く、チームワークも非常に高い。よって情報や知識も社内でうまく共有されている。聞けば何でも教えてくれる環境。朝勉強会を一緒にやったり、など、横の連携が非常に強い。また社員の平均レベルも高い。風通しもよく、偉い人にメールで意見を述べたりしてもOK
・しかしながら、貪欲さ、ガツガツ感、ハングリーさがない。他の会社に勤めている人を見て、出遅れ感があると思った。社外やさまざまな情報にアンテナを張っている人はそう多くない。国内外の業界動向を調べたり、新しいことを生み出すという意識が低い。平均レベルは高いが「破壊力のあるスゴイ人」はいない。無尽蔵に成績表の3と4が多数いるイメージ(5はいない)。
・のほほんとしていても会社が潰れない理由は、会社を率いている少数の人たちが超優秀であるから。目に見えない大きな力で会社を動かしているかのよう。安定した業績で多くの人を食わせるという意味ではすごい会社と言えなくもない。

(積極性のなさ)
・お客さんが「いらない」、というものはいらない、というスタンス。ニーズがないところから切り開いていこうという意識はない。そうしているうちに富士通など他社に市場を持っていかれた例が多数ある。研究費は高く、言語解析など優秀な分野であったり、NECが強いお客さんであったりしたにも関わらず。
・こうした積極性のなさは、90年代後半の巨額赤字、また自衛隊架空請求事件あたりから端を発している。事業部は今期来期の売上になることしかやろうとせず、研究部門の成果を生かす体制がなく事業化されない(役員いわく、自分の代ではできない、とのこと)。90年代後半以後、自分たちが業界をリードすることを忘れたかのよう。


 

福利厚生/報酬/評価

(給与/ボーナス)
・上司が決めている。残業が多い人は、毎月の給与が多いのでボーナスを少なくする。また残業が少ない人はボーナスを多くする、ということをして給与を平準化している。主任以上は自分の担当しているお客様の数字でボーナスが決まる。
・ボーナスの支給に関しては透明性はなく、非常に不満が多い。平準化されるため、数字になる、お金になる仕事を懸命にやってもボーナスが少ない、ということになる。

(評価)
・マネージャ2名が推薦すると、昇進試験を受けることができる。落ちる人はほとんどいないので、推薦をもらえた時点で昇進がほぼ確定。
・昇進以外の評価については、数字(主任以上)と、毎年の目標設定に対しての達成度合いを見られる。例えばコスト削減度合い、業務改善など。しかしながら、目標達成に対する支給割合が低いため「あってないようなもの」になっている。
・主任以後は給与面で差がついてくる。主任未満はあくまで「助走期間」であり、とにかく勉強して挑戦して提案しろ、という位置づけ。失敗してもリスクはない。
・ちなみに、報酬面で差がつかなくても、数値化されない評価の差はついていく。重要な仕事ほど評価の高い人に任されるようになる。
360度評価も導入されているが、通常の360度評価とは異なり、部署の中のごく少数の人が毎年順番に評価者となって同僚を評価している。仕事の進め方、応対、あらゆる点を評価している、らしいのだが、それが誰か分からないため、スパイ的な評価制度と称する人もいる。
・部下が上司を評価する制度もある。年に2度評価をするタイミングがある。これにより上司の行動が変わることはないようだが、一応評価内容は本人に伝わっているらしい。ただ、ひどい上司は少ないので、それほど問題にはなっていない。

(福利厚生)
・東京から出ると1日1,000円手当てが出る(ただNECの拠点がある川崎を除く)。
・借り上げ社宅は抽選だが、当選すれば8畳ワンルームで2万円。抽選からもれると社員寮になる。

(給与)
残業代など込みで550万程度(紅白歌合戦を客先で見るほど働いた年の給与)。


結論

Good
・社会人としての基礎を学べた。

Bad
・業界の大手企業を押さえているのに、新しい仕組みを作ろうとしない。
・新たな破壊的な動きに関わることができない。新しい社会の動きの主役にはなれない。
・よって、優秀な人から、また「自分が主役」になりたい人から順に会社を辞めていっている。

(働く環境としてのこの会社に点数をつけると)
50