サイボウズ株式会社
(2007/10/24 Updated)
|
会社設立
|
1997年
|
|
上場/非上場
|
上場(東証1部)
|
|
上場年
|
2000年
東京証券取引所マザーズ上場
2002年
東京証券取引所市場第二部へ市場変更
2006年
東証第一部に指定
|
|
代表者
|
西端 慶久
|
|
従業員数(単独)
|
122人
|
|
従業員数(連結)
|
621人
|
|
売上比率
|
ソフトウェア44、通信32、ネットワーク関連22、コンサルティング2、シンクライアント1
|
|
平均年齢
|
30.9歳
|
|
平均年収
|
621万円
|
|
系列
|
独立系
|
以上、一部はYahoo!
ファイナンスより引用
インタビュー協力者
|
現役/元社員
|
社員
|
|
新卒/中途
|
新卒
|
|
職種
|
ソフトウェア開発
|
|
年数
|
5年未満
|
|
新卒就職活動
|
|
(会社を知る~内定まで:④から⑥までがだいたい1ヶ月程度の期間であった)
①雑誌でサイボウズについて知る
②Webでエントリー
③説明会+筆記試験
・説明会の雰囲気が他社とは全然違っていて、ノリがよく、とてもくだけていた。この会社は違うと思い、履歴書を渡して筆記試験を受験。
・筆記試験は2種類。
(1)SPI、この中に「マヤ文明について」問われる読解問題があり面くらった。
(2)性格診断。どうやら性格診断のみで落選することはなさそうである
④一次面接(学生1:面接官1、1時間弱)
・当時の人事のNo.2と面談。大学でやっていること、興味があることや、なぜサイボウズなのかについて問われた
⑤二次面接(学生1:面接官2、1時間)
・面接官は開発部長と取締役。どのような技術を学んだか、OSはLinuxのなかでどれがよいと思っているか、といった質問がなされ、技術的な興味関心の高さを判断されたと思う(あわせて、学生のキャラクター、性格、素直さを見ていたように思う)
⑥最終面接(学生1:面接官4、1時間)
・面接官は当時の社長、副社長、CTO(最高技術責任者)、COO(最高執行責任者)。最終は意思の確認だけだと思っていったら、社長以下が何名も出てきて驚くと同時に採用への力の入れ具合を感じた。ここでは社長から、考えるプロセスを見る質問が出された(必ずしも答えが合っている必要はなく、どのようなプロセスでその答えを導きだしたかを見られる)。ストレス耐性を見る質問や圧迫面接的な質問はなかった。学生をのびのびとさせてみて、本人の性格を見るのが面接の主旨だと感じた
|
|
内定~入社~研修
|
|
(内定~入社まで)
・入社までの期間は「学生の間にしかできないことをして下さい」という会社の方針があるため、特に研修や事前課題などはなかった。ただ、ただ、アルバイトに来たい人は来てもいいよ、ということで、開催する製品説明セミナーの案内のアウトバウンドコールを担当した
(入社式)
・社内の会議室に集まり、名刺を渡され、雇用契約書に判を押した。それほど人数が多くなかったのでこぢんまりとしていた。その後、月次報告会という全社の集まりで、新卒入社の社員の紹介がされた
(全体研修:2ヶ月)
・8週間を4分割して、2週間ごとに別なカリキュラムが組まれた。<2>
~ <4>は社員を3つにグループ分けして、それぞれ1グループずつ順番に行かせた
<1>座学
サイボウズは何を目指している会社か、会社の成り立ち、用語の定義(「お客様」「利益」とは何か?)、会社のポリシー説明、製品説明、マナー研修、といった内容
<2>営業系
お客様やパートナー企業向けのセミナーの手伝いなどを実施した。営業担当者も忙しいので放っておかれることもあった
<3>サポート
サイボウズのサポートは雑誌でNo.1になるなど定評があり、その裏側のノウハウを学んだ。具体的には、はじめにお客様向けの問い合わせシステムについてのオリエンテーションがあり、その後メールでお客様向け回答を作る練習をしたり、実際にメールでの回答を作成送付するなどした。Eメールを書く上でのマナーを身につけることができ、非常にためになった
<4>開発
2週間を4つに分け、それぞれ開発内の別々の担当部門での研修を受けた
[PG]: プログラム担当部門
[UI]: ユーザーインターフェイス、製品の画面周りの担当部門
[SA]: システムアドミニストレーター
[QA]: 品質保証(Quality Assurance)、リリース前の製品のテスト、動作チェックによる品質確認
(部署別研修:2ヶ月)
営業系と開発系に分かれ、課題を与えられる。開発系であれば、3~4人のグループに分かれ、仕様策定、ドキュメント作成、機能実装、機能試験を行う。
(配属先の決定)
・研修期間中に第3希望まで希望を出し、7月末に配属の辞令がある。そもそも採用時点で、開発系と営業系で職種が分かれていたので、ごく少数を除いて配属に不満がある人はいなかったようである。大半の人は第3希望までのどこかに配属されていた
|
|
仕事の進め方
|
|
(配属)
・基本を叩き込まれる研修を受けた。具体的には、OSの検証やテスト用マシンの準備、ネットワークの管理、Webサイトの問い合わせフォーム作成など
(製品)
・サイボウズガルーンなど既に多くの既存ユーザーがいる製品だと、お客様が変化を嫌うため新しいことができなくなっている(例えば画面を変えたりすると、お客様は分からなくなってしまう)
・よって製品ラインを既存製品と、新規製品に分けて開発を行っている
(製品ができるまで)
①プロダクトマネージャー(PM)が製品のコンセプトをまとめる。また、プログラマーのリーダー(開発責任者)と費用・人員・スケジュールの見積もりを立てる
②管理部門レビュー(管理系部門のトップ)
③経営会議(社長や取締役、営業部門からのレビュー)
④開発
1、プロダクトマネージャー(PM)とプログラマ(PG)が、機能と製品の詳細な仕様を一緒にまとめる
2、各チームで平行して作業を進める。作業項目はチームごとに分けられ多岐に渡る。例えば、プログラムの作成、品質保証の仕様書の作成、製品画面パーツの作成、ユーザー向けマニュアルの作成、製品で使われる文言と画面の管理(分かりやすい語句を使っているか、整合性は取れているかを確認)
3、期日は厳守なので、期日に開発が間に合わない場合は機能を落とす
⑤品質保証(開発と同じだけの長さを取る)
品質保証の仕様書に基づいて、品質保証部のメンバーがテスト、バグ出しをし、プログラマーが修正、再度品質保証部で動作確認を行うプロセスを数ヶ月回す。このフェーズが、製品ができるまでで最もしんどい場面である
⑥リリース判定(レビュー)
製品のドキュメントがそろっているか、致命的な不具合は修正されているかといった点についてレビューされる
⑦リリース
Webに製品を公開し、ダウンロード可能な状態にする
<注意>製品によってはもっとレビュー回数が多い場合もある
(開発担当者の一日の流れ)
・9時出社(定時)。申請すれば理由を問わず8時出社~10時出社までの間で変更可能。他の開発系の会社と比較して、時間には割とうるさい。寝坊などの理由で月に何度も遅刻をすれば、上長や人事に注意を受ける。個人的には朝は苦手でないのでOKだが、フレックスにして欲しい、時間に縛られないようにして欲しい、という声もある
・開発チームによっては、朝出社後に10分ミーティングをする(週に1度は1時間ミーティング)
・以後は、会議が入らなければひたすら開発。場合によっては電話もとらずに集中して開発する
・昼休みは11時半から13時半までの間で、都合のよい1時間に行ってくる。
・早い日だと19時頃、遅い日だと22時頃に退社。上司が残っているから帰りにくいといったことは全くない。逆に自分で仕事のペース配分、自己管理できるようにならないとだめ。
・開発責任者はいつも遅い時間まで残っている。サイボウズにおける開発責任者は、責任感のかたまりのような人が多い。彼らはマネージャー兼メインプログラマーをやっている場合が多く、上と下にはさまれ、かつプログラムも書かねばならないという激務。個人的にはこの、開発責任者に責任と仕事を負わせすぎる仕組みは間違っていると思う
|
|
組織/異動/他社比較
|
|
(組織)
・社長>本部長>部長>プロダクトマネージャー(=グループ長)、というのが組織構造。開発部門であれば、グループは製品ごとに分かれている。グループの人数は時期によって違うが、既発製品のメンテナンス開発期は一桁で、新規開発が始まると二桁になる、というように変動する
・大きな製品であれば、グループの下にチームがあることもある。また人数が少なく、階層も少ないため組織はフラット。やりたい人がやりたいことをできるようにしている
・本部の人員配置は、本部長の権限で割り振りをしている。中途社員がいきなり部長になることもある
(異動)
・人数的に枠がない時以外、異動は希望が通る。定期異動のようなものはない
(他社比較)
・MixiやYahooなども受けてくる人が多いが、比較するとサイボウズは法人向けビジネスで「手堅い」
・またWeb開発という業種は給与が安いが、その中でサイボウズは良い給料
|
|
カルチャー
|
|
(経営陣の大半が30代後半)
・経営者が若い。社長はいい意味で社長らしくない。社長は予定がなければ、12時から13時まで「ランチミーティング」の時間をとっており、社員の誰でもスケジューラで一声かけておけば一緒にご飯が食べることができる仕組みがある。また、ランチミーティング以外でも社長と普通にしゃべることができる
・最近社長が本を出したので、就業時間終了後に本の即売会・サイン会を出版社と一緒に社内で始める、というように、面白いことをすぐやる
(人間尊重・誠実さ)
・人間を大切にする会社という意識が徹底している。創業者3人が松下電工の出身で、松下幸之助(松下哲学)の影響を受けている。また人間を尊重するため、「社員本人がやりたくないと考える仕事は任せない」という傾向がある
・バカを見ても誠実であれ、困難な状況でも逃げない、という信念を持っている社員が多い
・こうしたカルチャーは、人によって合う人とそうでない人がいる
(個人のアイデアを生かす)
・社内用アプリケーションを1プログラマーが製品化したり、製品のアイデアを持ち込んできた人を入社させ製品化させるなど、個々人の製品に対するアイデアについてはかなり柔軟に受け入れる
・また自分の意見がないとダメで、言われたことだけやっていればよいと考える人は合わない(社内の掲示板で頻繁に意見やアイデアを出す人は一目置かれる)
(服装)
研修中は、開発系でも全員スーツ着用となる。研修後、開発系の部署では、一部1年間スーツ着用とする部署もあるが、基本はカジュアルとなる(ただ、お客様と会うときはもちろんスーツ)。営業系は研修終了後もスーツが基本
(人間関係)
・人が増えたため、これまで1フロアに全員いたが、現在は開発だけが別フロアになった
・開発フェーズではぎくしゃくすることもあるが、普段はお互い笑わせあったり、会話が全てネタだったり、なんていうこともしばしば
・仕事以外の親睦会(部活動)があり、ここで人脈をつくることも可能。最近はDS部(Nintendo
DS)という部が、グーグルにマリオカートで対戦を申し込んでグーグルにこてんぱんに負けた、なんていうエピソードも。他にはエクストリーム部という、ロッククライミングをする部や、ヘルス部(スポーツジムで運動&ダイエット)、カート部(元レーサーもいる)、などがある
|
|
給与/評価/教育/生活
|
|
(職階)
・大きく3段階の職階があり、それぞれ内部で4つに分かれている。例えば1番下の職階は、一番下からBN,
J1, J2, J3, J4と分かれている。新卒入社時は年俸360万円だが、一段階上がるごとに数十万円年俸があがる仕組み。ただ、この年俸の上がり幅は、どの職階でも一律というわけではない。年俸に関しては非常にシビア。新卒採用でも2年目になる時点から差がつき始める。また上になればなるほど上がりにくくなる
・こうした給与体系ではなく、勤務時間で評価する給与体系も選択可能。一定水準の額までは毎年年俸が増える。また、1週間のうち特定の曜日を休む(もちろん年収は減る)といった柔軟な勤務スタイルが可能となるが、使っている人はほとんどいない
・給与は役職ではなく職階に連動しているため、上司より給料の高い部下がいる、ということも実際ある
・また、一度上がった給料は下がらないため、中途で採用した社員の給与を比較すると、前職の給与を考慮した額のため、相対的に能力との相違が発生している場合もある
(給与)
・年俸は480万円+会社全体の売上予算が達成されると月給の10%が追加で支給される
・他、手当ては特になし(交通費支給くらい)
(福利厚生)
・持株会があり、月収の10%を上限に株を購入可能(会社から購入額と同額の補助金が出るので、事実上半額で株が買えることになる)。ただ株価が低迷しているので、ここ最近は半値で買えても損が出ている場合がある。購入した株は、申請により許可されれば在職中でも売却は可能。退職時に自分名義に変更可能
(その他)
・副業は禁止。副業を認める、認めないについては社内でも議論がなされている
(仕事と生活)
・製品開発の過程で、1ヶ月のうち、2日を除いて土日全部出社したという月があったくらい、開発の山場になると勤務時間が長くなる。特にマネージャーは各チーム間の作業の調整を行い、その他に個人の作業もあるため、帰りが遅くならざるを得ない人も多い。
|
|
結論
|
|
(働く環境としてのこの会社に点数をつけると)
・80点
(Good)
・組織がフラットで、平の社員でも社長や上層部に意見をいける環境がある
・人間を信じている人が集まっている。「これをやりたい」という人がいると、基本的に任せるカルチャーがある。また同僚や上司を信じられる。社訓が自然に実行されており、技術力だけでなく人を見ている。プライド、責任感を持って仕事をしている人が多い
・失敗をしても給与は下がらないし、首にならないので、ある意味OK(給与は高くないが、給与に執着する人はそれほど多くない)
・開発のスタイルは、開発チームごとに自由(製品をきちんと出せばOK)
・温和である。草食動物系と言えるかも知れない
・昔の日本男児的な所がある。「やっていることについて、アピールなどせずに、その仕事ぶりで評価してもらえばよい」という感じ
・ユーザーが200万人おり、知り合いが使っているという話を聞くと、やる気がでる
・お客様の声を本当に大切にしている点。要望は1件1件開発の段階でチェックしている(何故顧客満足度が高いかという点については、過去には要望の高い順から機能追加・修正をしていたため)
(Bad)
・30歳くらいになると他社よりも給与が低いと思っている人が多い
(新卒入社希望者向けにメッセージ)
・夢のある会社である
・自社でものを作って、自社に営業がいて、自社でサポートできている、という体制を120名規模で実現している会社はない。これくらいの人数であれば、目の見える範囲で何が起こっているかを把握できる
・技術力が高い(買収した会社と比べると明らかに技術力がある)・「素直である」「技術好きである」「好奇心が強い」「大企業志向ではなく、オープンな環境でものづくりをしたい」「自分の作った製品で世界をよくしたい」のであればカルチャーに合う
(中途入社希望者向けにメッセージ)
・製品に根本から関わりたいと思う人
・私だったらこうしてもっと良くできる、というアイデアを持っている人
・しかしお金が理由で辞めていっている人もいる(特に35歳前後)
|